歯周病治療のキーポイントお教えします

正確な資料をとること

歯科医院でお口の中の写真をとったことがありますか?歯と歯ぐきの写真は歯周病の治療にとって大変役立つ資料です。歯ぐきの形や色、歯の表面についたプラークや歯石。こういった微細な状態を見逃さないためにはお口の中の正確な写真が大変有効です。

歯科医院で撮るレントゲン写真には大きく分けて2種類があります。パノラマレントゲン写真は1枚で上下左右の広い範囲を見ることが出来ます。もうひとつのデンタルレントゲン写真は小さなフィルムですが、小さなむし歯や骨の微妙な形までくわしく見ることが出来ます。歯周病を評価するためにはデンタルレントゲン写真で骨の形を正確に診る必要があります。ただしすべての歯とその周囲組織を写すために10枚から14枚撮影する必要があります。

一般的に行われている歯周ポケットの深さや歯の動揺度のチェックは歯周病の基本的な検査として不可欠です。これに加えてお口の中の写真やデンタルレントゲン写真も欠かせない検査です。

歯石をキレイに取りきること

「歯石を取る」と一言で言いますが、実際には大変な作業です。
超音波スケーラーは歯石をとるための代表的な器具です(キーンという音で歯科衛生士さんが歯にあててガリガリ歯石を取る器具です)。軽症から中等度の歯周病にとっては超音波スケーラーをうまく使用することでかなりの歯石をとることができます。しかし、中等度から重度の歯周病では歯石除去は大変な作業になります。専用器具(正式にはグレーシーキュレットといいます)を使って人間の手で丁寧に歯石をとり、しかも歯根の表面をツルツルにする必要があります。大変時間がかかり歯科衛生士さんの高い技術を必要とします。
そうした処置でも取りきれなかった歯石は、歯ぐきを切開して外科処置を行って歯根をキレイにしていきます。歯に付いている歯石をキレイに取りきることは、歯周病治療の基本中の基本です。

現状をしっかり認識すること

歯周病は自覚症状の少ない病気です。つまり治療によって良くなっても、あるいはほっておいて不幸にして悪くなっても、患者様自身にはなかなかわかりません。
大切なのは、どの歯がどの程度の歯周病にかかっているのか?治療によってどのくらい良くなったのか?を知っていただくことです。歯周病の治療には患者様自身のホームケアーが大切ですので、自らの状態を正確に知ることが大切です。

漫然と歯石をとったり歯をクリーニングするだけでは、残念ながら歯周病はなかなか治りません。

メインテナンス

歯周病治療の最も大切なキーポイントはメインテナンスでしょう。歯周病の罹患率(なりやすさ)が非常に高いこと(成人の8割以上というとんでもない数字!)は、いったん治った歯周病が再発しやすいことにつながります。残念ながら治療さえすれば、後はメインテナンスフリー、つまりそのままほっておいて再発しない歯周病は存在しません。
歯周ポケットの中ではお口の中の多量の細菌から歯と歯ぐきの継ぎ目を守ろうと人間の身体は孤軍奮闘しています。定期的なクリーニングは、それを助けてあげるために欠かせません。