歯周病を治すと糖尿病が治る!!

怒涛の連続アップ!
24日土曜日は医院を休診にさせていただきスタッフとともに日本歯周病学会の学術大会に行ってきました。
今年の秋は山口県下関。
新幹線を使っての日帰りの慌しい日程です。

今年は広島大学の西村教授が主催の歯周病治療と全身の健康についてのシンポジウムが出色の出来でした。
西村先生はインチョーが岡山大学にいた時のセンパイですが、歯周病と糖尿病の関係についての研究では日本をリードされている方です。

先生は今までも歯周病を治療すると糖尿病が治るといったデータを出していましたが、あくまで大学病院で歯周病専門医による治療を受けた、ある種特殊なケースの報告でした。

しかし、今回のシンポジウムでは広島県歯科医師会との共同研究で一般の医科の病院で糖尿病と診断された方に一般の歯科医院に来てもらって歯周病治療をした結果を報告していました。

この報告のミソは、歯周病治療が一般開業医で可能な基本的な治療であるというところです。

報告によると重症の歯周病だと1ヶ月間、計4回の歯石をとったり抗生物質を使ったりの治療で糖尿病の重症度を示すHbA1c(ヘモグロビンエーワンーシー)の値が最大2、平均0.4下がったということです。
歯周病治療を受けていない群(歯科医院に来てもらえなかった方)は変化なしという結果です。

非常にシンプルで力強いデータであり、「西村先生やりおったな」というカンジでした。

ちなみに、「患者さんを対象にして研究した」というと医療の本質から外れているといった批判を受けるかもしれません。
しかし、こういった臨床研究と呼ばれる作業があって始めて病気に効く治療法や薬といったものがわかってくるのです。

歯科の世界は実はこの部分がいままでおろそかにされていました。歯医者自身の経験やカンが主流を占めていました。

たとえばの話。
「今ある場所にムシ歯がみつかりました。このムシ歯を今日、どういう風に削って治せば一番イイのか?そもそも今日削るんじゃなくてしばらく様子をみた方がイイのか?」というようなまったく単純な疑問に答える正確なデータは実はないのです。

   この話をし始めたら、当分その内容だけで終ってしまいますので、ココまで!

しかしいずれにせよ、現代の国民病となった糖尿病が薬や生活習慣の改善以外に歯医者で歯石とってもらうだけで治っていくのは素晴しいことです。