歯周治療は誰がする?

先週インチョーはこうべ市歯科センターで講演をしてきました。
駆け出し医院のインチョーには重責でしたが、日頃から勉強会等でお世話になっている日本ヘルスケア歯科研究会の諸先生方に乗せられて、なんとかもおだてりゃ木に登るという訳で話をしてきました。
元々、人前で話しをすることに全く抵抗感ないこともありますが・・・

内容は歯科衛生士さんと歯周病の治療をやっていこうという歯周病治療に関してはごく基本的な内容です。会場には50名近い歯科医の先生方や歯科衛生士さんが集まっていただき、この分野に関しては当医院よりもベテランの方も多数おられ、気恥ずかしい講演でした。

インチョーは歯周病専門医という肩書きを持っているわけですが、多くの歯科関係者は歯周病専門医=歯周外科手術をバンバンやっている歯医者というイメージをもっておられます。歯周外科手術というのは中等度から高度に歯周病が進んでしまった歯に対して歯ぐきをめくって骨を露出させて歯の掃除をしたり、骨の形を整えたり、骨をつくったりする手術のことです。

もちろん、インチョーは歯周外科手術もやりますが、歯周病の治療の基本は患者さんご自身がきちんと歯を磨き、歯科衛生士がきちんと歯石やその他の汚れをとる治療にあると考えています。初期から中期の歯周病はこれがきちんと行なわれていれば、スモーカーの方以外はたいがい治ります。

「歯なんぞきちんと磨いたことがない」と言われる患者さんはさすがに治すことができませんが、きちんと歯を磨いておられる患者さんならば、歯科衛生士さんの適切な処置で多くのケースが治っていき、進行もとまるのです。

この基本的な治療はずいぶん以前から教科書に載っているような一般的な事柄ですが、残念ながら成人の方の歯周病罹患率(病気になっている率)はいっこうに下がりません。「きちんと」という単純に聞こえる作業は実は大変なことなのです。

歯周治療にはもっと歯科衛生士さんの積極的な参加と、それをサポートする医院の力が必要です。

システムをつくること。単純ですが大切なことなのです。