某全国紙の新聞が先日記事を載せました。
「歯削る機器、滅菌せずに再使用7割・・・院内感染懸念」
歯医者さんで歯を削るには高速エアータービンとエンジンという2種類の機械で削ります。それぞれ専用のドリル先端をつけて硬い歯を削っていくわけです。
タービンやエンジンで歯を削ればお口の中の唾液が飛び散ります。時には歯ぐきから出血した血液も飛んでしまいます。つまりタービンやエンジンの先や内部は唾液や血液で汚染されることになります。
この記事は調べた歯科医院の7割がタービンやエンジンの先を滅菌せずにアルコールで拭くなどの処置で使用していた、というものです。
安心安全な歯科医療を行うには、細菌やウイルスを他の方にうつしてしまう行為はやめるべき!と新聞は訴えています。
宮本歯科・矯正歯科では何年も前から患者さんごとに一度使ったタービンやエンジンの先は交換して滅菌消毒を行っています。患者様はご安心ください。
と、宣伝したくて今回のブログではありません。
安心安全な歯科医院は当然のことなのですが、インチョーが言いたいのはこれらのコストをいったいどうしていくのか?という点です。
タービンやエンジンが使い回しになるのは、それらが高価で交換できにくいからです。宮本歯科・矯正歯科ではタービンやエンジンの先を数十本持っています。1本数万円どころか定価ベースでは10万円近くするものもあります。
歯科医院には歯を削る道具の他にもありとあらゆる器具があります。コップや注射針などコストが安いものはディスポーザブル、使い捨てです。使い捨てにできない器具は交換して消毒、滅菌となりますが、一日の診療に間に合うだけの数を揃えていかなければなりません。
こういったコストは近年どんどん上昇しています。一方で健康保険でいただく料金はさほど増加していません。
医科に比べて歯科の初診料や再診料は低いままです。医科の外科手術以外では歯科医院は最も滅菌・消毒にコストがかかっているにもかかわらずです。
多くの歯科医院がまさに自腹を切ってこういった費用を捻出しています。そこんとこ、少しわかって欲しいよなあ~、とため息のインチョーです。