日本ヘルスケア歯科研究会が学会になった!

2月6日の日曜日、インチョーは東京で行われた日本ヘルスケア歯科学会の設立総会に行ってきました。

ヘルスケアという言葉は耳慣れない言葉かもしれません。辞書では健康の維持・増進とあります。ヘルスケア医療とは「健康な生活の営みを支援する」ということです。

インチョー毎日歯科医院で歯科治療に携わっているわけですから、「歯が痛い!」という患者さんを治療すれば、その患者さんの健康な生活の営みを支援することになります。
ただし、この学会の特徴は「治療ではなくて」という点にあります。つまり、「悪くなる前に予防をしてお口の健康を守り育てていこう」ということを目的としています。

「ムシ歯を治療する」といってインチョーは歯を削って詰め物をしていますが、これは実のところ歯を健康な状態にはもどしていません。あくまでムシ歯でなくなった部分を金属やプラスチックでもって元の形にもどしているだけのことです。
歯周病の治療はインチョーの大得意な分野です。残念ながら歯周病で無くなった骨をもとどおりにしてやることはどんな最新の技術をもってしてもできません。インチョーも日頃「治療で骨が再生できた!」と喜んでいますが、たかだか1-2mm程度の骨ができた!というわけで、ある意味大変マニアックな世界です。

インチョーが日頃から「なによりも定期健診やメインテナンスが大事です」と患者さんに言い続けているのは、結局いままでの歯科治療が歯やお口の中を健康にしているわけではなくて近い状態にしているに過ぎないからです。
あたりまえですが、ムシ歯や歯周病にならないことが最もすばらしい事なのです。
ただ、お口の中という環境はたいへんハードで、なかなか個人の努力だけでムシ歯や歯周病にならないというわけに行きません。そこで歯科医院での定期健診やメインテナンスが大切なのです。

日本ヘルスケア歯科学会は以前日本ヘルスケア歯科研究会という名称で1998年から活動していました。http://www.healthcare.gr.jp/
インチョーは開業してまもなくこの研究会に入会しました。
昨年からは研究会のオピニオンメンバーなる役職につきました。
その縁もあって今回の学会設立総会に出席させていただきました。

まだまだ日本の歯科医療でヘルスケアの概念が受け入れられているとは思えません。
しかし、この学会設立を機にぜひ社会的にもこの概念が認められるようになるよう期待しています。

どんな治療法よりこの部分に歯科医療の本質があることは疑いありません。