大規模災害とその後

 2024年、令和6年は元旦から衝撃がはしりました。能登半島地震の発生です。

 先日は神戸市の行政と神戸市歯科医師会の会議がありました。時節柄、神戸市行政の能登半島地震への対応についても報告がありました。神戸市も29年前の震災を経験していますので、多くの方が能登の避難所の様子を見て、当時となんら変わらない状況に愕然としています。

 神戸市は29年前の震災で4,571名の方がお亡くなりになり、当時の避難者は23万人にものぼったそうです。これは死亡率で人口比0.3%、避難者は15%にのぼる大災害でした。今回の能登半島地震で大きな被害が出ている珠洲市では死者99人とのことですが、人口比では0.9%になります。避難者はなんと人口の56%にものぼるととことですので、阪神淡路大震災より被害の状況はいっそう深刻です。しかも元々インフラの弱い地域での出来事です。

 高齢の方が避難所での生活で肺炎で亡くなられる悲劇が阪神淡路大震災の後、多数起こりました。平常時ならともかく、災害後に体力が低下し、尋常ではないストレスによって、口の中の細菌は誤嚥性肺炎を引き起こしてしまうのです。避難所の生活の中で、歯磨きやお口のケア、口腔ケアは大変大切なのです。

 残念ながら今回の地震被害をとめることはできませんでした。しかし、その後の災害、震災関連死を減らすことはできるのです。