6月27日(金)に開催された灘区民健康講座で「歯周病と全身の健康」というタイトルで講演を行いました。当日は暑い日中の時間帯でしたが、会場の灘区医師会館には多くの市民の方が集まられ、インチョーのつたない講演を聴いていただきました。
インチョー人前でこういった話をすることはまったく苦にならない性質ですが、ともかく下手です。アレもコレも喋らなくちゃとアイディアばかり先行して結局何を言いたいのかわからなくなってしまうのです。特に市民の方にわかりやすくて、しかもためになるお話をすることは大変難しいと感じています。今回も事前に考えを練りに練ったわりには今ひとつの内容であったと反省しきりでした。ただ45分の講演時間を、なんとか時間内できっちり終われたことだけが満足でした。
さて、歯周病が全身の健康に関係しているというのはここ10年くらいのトピックスで様々のメディアでとりあげられています。ちょうどインチョーが留学していたニューヨーク州立大学で当時のジェンコ教授が歯周病の治療をしたら糖尿病の血糖コントロールがよくなったというデータを発表されました。インチョー自身も最初は「ほんまかいな?」と疑っていましたが、その後同じような研究結果が続出しました。最近では「重症の歯周病を放置するといろんな全身疾患にかかりやすい」ということが明らかになっています。
今回の講演のネタ探しを行っているうちに「歯周病の人はガンになりやすい」という研究結果を見つけました。
Lancet Oncologyというガンの専門雑誌で今年の6月号に掲載されたものです。米国の病院従事者(お医者さんや技師さん)の検診結果を過去17年間にわたって解析したデータから明らかにしています。ガンの発生にはタバコや刺激性の食べ物も関係していますが、それらの因子を除外しても検診で歯周病があるとされた方はその後様々なガンになりやすかった、と結論づけています。歯周病は心筋梗塞や脳卒中など心臓血管系の病気とも関係していますので、ついに日本人の死亡率トップ3の病気すべてと関係しているらしいというデータが出そろいました。
こういった研究結果は医学雑誌に掲載されますが、雑誌に載ればすべて信用できるというのは間違いです。医学雑誌にも高級?とイマイチ?が存在しています。有名な雑誌に載れば載るほど信頼できるデータといえます。また、1本の論文だけで信用できるか?というのもホントです。続いて2本目3本目の論文できちんと証明されないと確実とはいえません。
・・・・こういったことを言うのも疑い深いインチョーの性質のせい?